はてな夢日記:インターネット オア ダイ

 あまりにも酷い夢を見たので記念に書き記します…。何が酷いのかというと、まずインターネットの人が出てくる(夢画面の中に出演はしていませんでしたが)、さらに夢の中でそのインターネットの人が死んでるところが酷いポイントです。夢の中とはいえ、勝手に死なせてごめんなさい…。そのインターネットの人はというと、知り合いではあるんですけど、別に顔を合わせた回数とかそう多くはないし、え?この人が出てきて、あげく死んでる?という感じでなんとも意外な人選であり、視聴者の予想を裏切る夢ストーリー展開がそこにはあった!…というわけだったのですが、僕のインターネット知り合いの方々におかれましては、「綾川は夢の中で俺(あるいは私)を殺したに違いない…。今回はただの夢かもしれないが、これが現実にならないなどと誰が言える? そう、つまり、殺られる前に殺らねば…」などと疑心暗鬼に駆られた結果、僕の家に着払いで小包爆弾などを送りつけたりしないでくださいね! 困るので! というか「うひゃあ(爆)」といった感じで死ぬので! あ、そういや僕の住所なんて誰も知らないと思った。良かった良かった。一命を取り留めました…。しかし、それでも、自分が、不愉快せんばんにも僕とかいうあろうことか全くの小物の夢の中で無残にも殺されたのでは?と訝り、激昂し、何かの機会に僕を復讐のため殺害しようと目論む方もいらっしゃるかもわかりませんね。でも、そもそもその人は僕が殺したわけじゃなくて夢の中ですでに死んでる設定でしたので、まあ、僕に罪は無くノットギルティでですね…そこんとこをよく理解していただきたいです…できれば…。D'you Know What I Mean?

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 側面から天井までぐるりとガラス張りの、一風変わった列車に乗り込んだ僕は、肩から下ろした自分の荷物と、床に転がっていた他数人の荷物を足で脇へと押し込んだ。車内の左右には、向かい合わせで、椅子が半円状にいくつか並んでいる。半円と半円の向かい合わせの対は五個ほどあった。僕らはそのうちのひとつを占拠し、わいわいとやりはじめた。外では雨が降っているようで、暗い雲が厚く低く、空を覆っている。雨の滴がガラスに叩きつけられ、へばりつき、風を受けて、大きな河の流域を示している地図上の水色をした線のように拡がって、伝っているのが見える。列車は、木が数多く繁った山の中を貫くみたいに走ってゆく。
 隣にいる知らない女の子、ずいぶん大人っぽいような顔立ちに見えるようで、あるいはそうでもない顔立ちに見えるような(後で、ああ、この人は顔がすぐころころ変わる人なのだ、と気付いた)女の子が、にこにこ笑いながら、僕に喋りかけてきた。しばらく適当に相槌なんかを打ちながら話した後、ふと気になったので、この電車、どこへ行くの?と聞くと、よく知らないけど、葬式だって、と彼女は答えた。
「葬式?え、誰の?」
「○○さん」
「え、○○さん。って、え?死んじゃったの? ほんとうに?」
「うん、なんか死んだみたい」
 ○○さんはインターネットの人だ。サイトも知っていて、面識もある。これから、○○さんの死体は火葬場で焼かれるのだという。列車は火葬場がある駅へと向かっているらしかった。どうやら僕はあても無くこの電車に乗ったわけではなかった。○○さんの火葬を見届けるという、きちんとした用事があったのだ。
 しばらくして、列車は、火葬場のある駅にたどり着いた。みんなでここへ向かっていたはずなのに、僕以外の乗客は既にいない。たぶん何処へなりと消えてしまったのだと思う。ところどころ崩れたコンクリート、火事にでもあったのか黒ずんだ屋根、鉄で造られた駅名を表示するプレートは錆びていて、人気がまったくない駅だった。ホームに降りるとすぐ目の前にエレベーターの入り口があったので、それを使って降りる。火葬場への直通エレベーターだった。

 扉が開くと、そこはぱっと見十五メートル四方程度の、汚らしい地下室だった。エレベーターの扉が開いて中の白い光に照らされたので、その部屋の鬱屈とした様子が僕にはよく見えた。どんよりと、垢みたいな、混じりあった絵の具のような、何かは判然としないがそういったものでひどく汚れた壁に囲まれ、床には引っ掻き傷のような黒い痕が無数にある。赤黒いもので、血だろうか、まだらに点々と染まる検死台と、四隅から草―――というか苔や藻だと思う―――の生えたシンクらしきものがあった。また、中に、人が二人いることにも気付いた。すぐに扉は閉まり、うっすらとした電球の、緑がかった灯りだけがその部屋を照らすようになった。暗がりが部屋を支配する。ほとんど二人の特徴を掴む前に扉が閉まったようで、どんな連中なのかはよくわからなかった。
 僕の降りてきたエレベーターの隣に、もう一つエレベーターの扉が…と思ったら、それが焼却炉の扉だった。錆びてはいるけど、元は深い紺色をしていたかのように見える扉に、赤々しいスプレーで「焼却中、開けるな」と殴り書いてあるのが目を凝らすと見える。中からは、ごう、ごう、とうなる感じの音が聞こえていて、それはたぶんバーナーで○○さんの死体を燃やしているところなんだな、と思った。
 やがて音は止まり、焼却炉の扉が開いた。二人は炉の中へ入ってゆき、焼け残った○○さんのかけらを取り出した。二人のうち一人が、○○さんの骨を僕に触らせようとする。残された骨がこのような暖かさを持つ場合、それは、その人がしっかりと生きた証なのですよ、と言う。
「だからきちんと触りなさい。この人が生きたことを確かめなさい」
そう言いながら、僕に骨を触らせようとした。僕は骨に右手の人差し指と中指、薬指の先でそっと触れた。すると、ほら、暖かいでしょう、この人はしっかりと生きていたんですよ、暖かいんだから、と言われた。ええ、ええ、と頷きながら、僕はその時、人はみんな、強い炎で焼き尽くすと小さな骨のかけらになるよな、と考えていた。

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総評:夢判断とかあまりしたくない感じですね。