四月二十三日:明日目覚めたとき突然、偉い人にならないかなあ

 四月二十二日の日記が何故か編集できない…それだけで不安になる自分の心の碇シンジ的な弱々しさ、はてな依存ぶりを憂慮。
 これはまずい、ということで、柔らかに空気が揺れていた春の小さな午後、あたたかな風に吹かれた僕の冷たい頬や耳朶などはくすぐられ、穏やかな陽気にふみいふみいと誘われ、そんな風に気持ちいいものだから今日の昼飯はパスタに感動するか……と思い立ち、会社の近くのこじゃれカフェへ出掛けた。こじゃれカフェはこじゃれてるので、いかにも空間をプロデュースされました的な雰囲気であり、明るい色をした木材で造られた壁は、でこぼこと壁全体が寄木細工であるかのようにちょう激しく突き出し、窪んで、でこぼこっていて、おまけに座席は地下へと降りてゆくところにあるものだから、なにやら穴倉、洞窟のようなのである。ただし店内は、自然採光かどうか知らないが、穴倉に偶然出来た陽だまりのように明るく、調度品としては部品剥き出しのトランジスタラジオのようなこじゃれガラクタが置いてあったり、床には、内側から青緑色に光る、水晶のようなこじゃれ間接照明器具がところどころ生えるように置いてあったりと……まあ今まで書いてきた店内の様子を一言で言うと、こじゃれているという言葉に尽きてしまうのだけどそんな具合だった。
 ここで千円のランチメニュー、サラダ、パン、パスタ、デザート、ドリンクが付いているこじゃれメニューを頼み、春の完璧なこじゃれ昼下がりを演出しようという僕の欲望、目論みはもちろん正当であった。と、今のは本当言うと、何が正当なのかはさっぱりわからないが、そう書いた方が気分が出そうなので書いてみたのであるが、ともあれ、ゴルゴンゾーラのパスタセットを頼んだ僕は別段責められるべきではないだろう。何せ、僕はチーズが好きなのだ。好きすぎて泣き出しちゃうこともあるけど、なんて、直接、顔見て、言っえない、って、まあ泣き出すまでいかないけど、ここ数日の昼飯晩飯はスライスチーズとパンであるくらいには好きだ。そんな生活をしてたらはっきり言って体調を崩し気持ちが悪くなってしまったのだけれど、それでもまだチーズ買いはやめられない…。なお、ゴルゴンゾーラパスタはおいしくいただき、デザートも甘美であった!
 という按配でこのこじゃれカフェはまさしくこじゃれカフェそのものだったので、この店を知ってる自分もさもこじゃれでございますよ、といった感じでいろんな人に奨めようと思った。
こじゃれカフェ