日記供養日記

 よく、例えば友人と話していたりするうちに日記の着想が浮かび、あるいは自分の日記、他人の日記問わず日記を読むうちに文章が浮かび、これは楽しい日記が楽しく書けるんじゃないの?と思って日記を書きだすことがありますが、実際に着手してみると「うわあ読んでて楽しくない、おもしろくない、読みごたえもない、こんな日記を更新したら人間性を疑われる、もしくは日記力欠如の烙印も押された挙句、日記八分の憂き目に遭うんじゃん?」と思われる日記が自分の手から産み出されてしまうことも多く、そのような日記は更新されないわけで、日記に対して申し訳なく思っています。陽の目を見なかった日記は地縛日記としてフォルダの奥底に眠ることとなってしまい、さまざまな霊障、この場合は日記ですので日記障を及ぼすことが報告されていますが、例えば、もしあなたのマイドキュメントに身に覚えの無いテキストファイルが発見された上にその内容がなんとも酷い、などといった惨劇が起こっていた場合、間違いなくこの日記障の仕業だと見てよいでしょう。そんなわけで、僕は今まで自分が書いた中で図らずも地縛日記と化してしまったかわいい日記たちに対して、供養の意味をこめて日記を書きました。
 ところで、ここまで読んで、何かおかしいなと気付いた貴女は賢明と言えます。日記においてあなたをわざわざ貴女を書くのは僕の友達の真似なんですが、いやいやそういうことではなくて、おかしいのは「日記なのだからおもしろいとか読みごたえがどうとかこうとか没日記だとかおかしくない?」という根本的な問いが発生してしかるべきだからです。そうなんです、実際問題、そうなんですが、一日にあったことをそのまま書く日記だと僕が書いててあまり面白くないというか、その前に、書く事がないんです…。会社と家との往復だから…。強いて昨日起こった出来事を言えば、仕事で出かけた先で同じく仕事で来ていた弟にばったり会ったことと、宇仁田ゆみの短編集を買ったことと、家に帰ってネットしてたら後ろから噛まれたくらい。あれ、結構書くことありました。ごめんなさい。っていうかおうちに帰りたいヨー。