レジ打ちレボリューション21

 家の近くの二階建てのスーパーが先ごろ改装されました。そのスーパーは、かなりの老朽化が進んでおり、品揃えは豊富とは別段言えず、またそれに伴う恐らくは客足の減衰もあったのでしょうか、先日、別資本の流入を受けて一階部分が改装され、一階部分のみ別の屋号(流入した資本の屋号)を冠して復活を果たしたのですが、そこでいささか気にかかる現象が発生しています。まず一つは、別資本の流入を契機に、店内のBGMとして、Bon JoviVAN HALEN、TWISTED SISTERやQUIET RIOTといったハードロックバンドの曲が使用されるようになったことです。日用品や食料の購入のためにスーパーに行ったらハードロックを延々と聞かされる、というのも割とおかしな話だとは思いますが、さらにはRage Against The MachineFranz Ferdinandなどといった当世風のバンドの楽曲がBGMとなっていることから、選曲者が「BURRN!」〜「rockin' on」流れのロック好きである可能性の所在は比較的容易に想起できるわけです。が、しかし、事は単にそれだけで済むものではないのかもしれない、と近頃僕は思うようになりました。

 なぜそう思ったかそもそもの発端として、二つ目の気になる現象としてある、レジ打ちのおばさんたちの人間関係内における一種の権力闘争状況が以前より加速しているのではないかという疑念が挙げられます。実は、改装前より、レジ打ちのおばさん内で絶大な権勢を誇っていると目される位の高いおばさんレジ打チャー(以下「班長レジ打チャー」)の、それ以外のおばさんレジ打チャーたち(以下「一般レジ打チャー」)に対する、罵声を含む強硬な態度と言動は事あるごとに目立っていました。また、別資本の流入という大事件もあったわけですが、それは状況の混迷具合を助長している一因となったのかもしれません。新しい資本においては、以前スーパーを運営していた資本よりも効率化や管理体制の強化が図られているのでしょうし、実際、レジは以前よりも険悪なムードになっているような気がします。あのおばさんこわいよう…。そう、そのスーパーのレジでは、資本家/労働者の労使関係に附随したある種の類型的影響、労働者間でのさらなる階級分化の諸様相が見て取れるのです…!
 班長レジ打チャーは、一般レジ打チャーと同じ労働者とは言えどちらかと言えば資本家寄りの権力を持っていると想定されることから、当該スーパーに流入した別資本の構築する労働者支配システムに対し協力、遵守、保守する役割を積極的に担っているものと思われます。さながら、長いものにはなんとやらというか…あるいは、穿った見方をすれば、資本側からのなんらかの利益提供さえあるのかもとすら思えます…。いや、それは、プロレタリアがどうこうとかいうお話や収容所におけるカポーの例を出すまでもなく間違いのないことのように僕は強く思いますが、ええと、さっきから書いている内容の真偽とか、なぜ間違いないと強く思うと言えるのかとかその辺の理由だとかはまったくの僕の偏見から来るものでありわかりません!

 と、このように、近所のスーパーでは日々陰惨な抑圧的状況が繰り広げられているに違いないのですが、最近スーパーでかかるBGMがRage Against The Machineなどといったいわゆる「闘争」寄りとされるバンドの音楽や、ことさらにシンガロングスタイルのハードロックばかりなのは、それはきっと労働者の「一体感」("sense of identity"≒sense of unity)を喚起する目的を持ったひとつのブレイクスルー、資本に対する抵抗の萌芽に違いないんだ! (ここから日記)なんてことを考えながら買い物をすると割と楽しいんですけど、そんなこんなで今日はそのスーパーで梨を買ったよ。梨は何よりおいしいし、石川梨華さんの名前にも使われている字でもあるのでそりゃもう好きな果物です!っていうか今食べてっけどすげーうまい。梨やばいよ。マジで。