ヨン様こわい

 多分、いったいこの世の中で暮らす女の子で私のランキング何位だろうか、と女性の方が思うのと同じくらいの頻度で、僕は、ヨン様ファンってどこにいるのだろうか?と思ってきたわけです。でもね、我々一同、一生懸命探していました。そしてヨン様ファン、見つかりましたよ。と、今、いにしえのバラ珍スタイルでクールに決めてみたのですが、実は、別に僕は一生懸命探していたわけではありません。それに、見つかりました、と言うよりは、見つかってしまった、というのが僕の心情に近いところで、まあ何を言っているのか自分でもわからなくなってきたので平たく言うと、たまに会社に、僕の担当する仕事のひとつに関係して、ヨン様ファンからのクレームお電話が襲来します!

 詳細はもちろんビジネスがどうとかこうとかで明かせないのですが、かいつまんで背景を説明しますと…。ヨン様がらみの情報サービスを、韓国の会社さんと僕の勤める会社で、名目上共同展開しています。ですが、韓国の会社さんだけが情報を更新したりサービスを制作したり出来る制度のため、実際に諸々のことに対応可能なのは韓国の会社さんなのです。が、しかし、ここで大いに問題なのは、大人の事情やら資本主義のなにやらの所為らしいのですが、僕の勤める会社、というか何故か僕がクレーム窓口になっている、といった不可思議条約が既に締結されていることです! それでたまに、どうしようもない僕にクレーム電話が舞い降りる、という…。そしてさらに、その韓国の会社さんにこれこれこういうクレームが来ているのでご対応ください、と言っても、往々にして何もやってくれないという…。そのような素敵システムが確立されているものですから、結局僕は頭を下げ続けるだけがしごとという…。要するに、僕の勤める会社は現状、正直名義を貸しているだけみたいな状況ではあるのですが、サラ金の連帯保証人を背負ってしまったような按配でもって、借金取り的にクレーム電話が襲い掛かってきます…。たすけて…。たすけてよヨン様…。

 まあなんていうかもうしょうがないので、この心境を替え歌にして歌います。歌はいいね、歌は心を潤してくれる…。

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ヨン様を愛し愛されて生きるのさ』 原曲:小沢健二『愛し愛されて生きるのさ』


ヨン様ファンがクレーム電話をかけてくるのさ 僕らの心の中へもしみこむようさ
この電話の向こう側 つばを撥ねてだれか怒る

夕方に簡単に不意に鳴ったそのベルで 担当でも呼び出せなんてまた電話がかかる
ファンからの電話取る すぐに怒鳴り声が響く


いつだっておかしいほど 誰かがヨン様 愛し愛されて生きるのさ
それだけがただ僕を 悩める時にも クレーム対応へと連れてく

ヨン様輝く情報を待ってる女性さ 突然ほんのちょっと誰かに怒りたくなるのさ
そんな名目を用意して 僕の出る電話にかける Woo Ah


(セリフ)
家族や友人たちと ニュース番組を見るたびに ワイドショーを見るたびに
ヨン様ファンは何処にいるのだろうかと 何度も口に出してみたり
熱心に考え、深夜にクレームのことを思って
もう来ないようにと祈るような そんな気にもなるのかなんて考えたりするけど


10年前の僕らは胸をいためてエヴァンゲリオンなんて観てた
「逃げちゃだめだ」はまだ今でも僕らをやるせなく悩ませるのさ

憎しげにきっと彼女は拳固めて ほんのちょっと息を切らして怒って電話する
大きな声が響く 僕は耳と受話器離す


いつだっておかしいほど 誰かがヨン様 愛し愛されて生きるのさ
それだけがただ僕を 悩める時にも クレーム対応へと連れてく

ヨン様輝く情報を待ってる女性に 突然ほんのちょっと電話が混線したのさ
そんな言い訳を用意して ファンのかける電話を切る
Woo Ah

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あとがき:電話切ったりはさすがにしないですよ! あと大事なことを書き足しますと、この替え歌は友人とのセッションにより産み出されたものです。まあ、替え歌ジャムセッションというか、メッセで改変歌詞を見せ合って、ヘイ、お前の改変は最高にクールだな?とかいって遊んでる感じです…セッションというのは。