THEマンパワー!!!

 「THE マンパワー!!!」というタイトルを目にした時、特にサラリーマンの方ならほとんど鉄板とも言っていい確率で労働を思い浮かべることかと思います。それも、労働の負の側面を…。実際、昨日ハロモニで曲を聞いても、その確信は強まるばかりでしたが、初めて聴いた印象は「労働替え歌が作りやすそうな曲だな…」という、いちファンとして一番最初の印象がそれってどうなの?的なものでした。ごめんなさい! 曲としては、珍曲という立ち位置にある点で「女子かしまし物語」と近似していると思うのですが、かしましと違って、マンパワーの場合、踊れなさそうな、なんとも暗いダンスビートに曲全体が貫かれているのが特徴であり、あれはさながら死の行進、いわゆるデスマーチを想起させますよね。納期が迫ってるからお前らマンパワーでとにかくやれ、ずんずんずん、という…。


 「♪マンパワーがみなぎる マンパワーがものごっつい マンパワーが素晴らしい マンパワーって、それが僕らさ…」という歌詞も、「THE マンパワー!!!」のダークなビートに乗ってしまうと、ポジティブなマンパワー賛歌という、歌詞が纏っていたはずの表層的なベールを脱ぎ捨て、徹夜作業へ飛び込むためのレミングス行進賛歌的な側面を露わにするような気がします。例えば深夜に残業している時にこの曲を延々と聞かせたら人は案外たやすく発狂するかもしれない、と思わせるところがスリリングというか…この曲、応援歌っていうより呪術歌なんじゃ? ちなみに、ファイナルファンタジー6の「狂信者の塔」でケフカ様のために行進してる人たち、あれが「THE マンパワー!!!」の曲に合うような気がしていて、僕の中でこの曲の映像イメージはそれです。ケフカ様のおたからかえせー、マンパワーがすばらしいー、みたいな感じで…。また、さらに触れておきたいのは、この曲の一番泣けるポイント。それは、「マンパワーって、それが僕らさ…」という部分の歌詞だと僕は断言したいです。人月といった単位に換算されてしまうサラリーマンの諦念と悲哀を感じてしまい涙が溢れてきそう。そう、僕らはマンパワー…つまり単位…涙、止まらないわ…社会、厳しすぎるから…。


 まあいいや。ところで、この期に及んでもつんく♂さんは、この曲に関し「テーマは『文化継承』、コンセプトは『毎日食せるありがたみ〜自然の恵み〜』です」なんてな具合で相変わらずロック過ぎる(≒意味不明)なことを言っているのですごいとおもいます。もうあのおっさん♂の頭の中はどうなってるんだ?とか考えるのを僕はほとんど諦めました。


※日記のおまけ※
 マンパワーの替え歌はまだ出来ていないのですが、他の曲で一個替え歌が出来たので載せます。

        • -

「残業が止まらない定時後」(原曲:「涙が止まらない放課後」)
残業 止まらないわ 納期 迫りすぎるから
残業 止まらないわ 作業量が 過ぎるから


残業がいつも始まる
定時後の時間です
気が触れるほど長くて
ぼくは吐き出しそう


時給換算 してみたら
生きてけないほど 悲しいから
パッと落とした 明細の
数字を眺めたわ


残業 止まらないわ 毎晩 見ているの悪夢
残業 止まらないわ 今夜は 帰れるかな


5日も家に帰れない
そんなのありえないわ
収入が違う二人は
ロミオとジュリエット


3日も前のメールとか
自分の読んだら 死にたくなる
もうすぐ帰れる はずだったのに
待ち合わせは 過ぎた


残業 止まらないわ 納期 迫りすぎるから
残業 止まらないわ 作業量が 過ぎるから


残業 止まらないわ 毎晩 寝ているの床に
残業 止まらないわ 今夜は 帰れるかな


残業 止まらないわ 納期 迫りすぎるから
残業 止まらないわ 作業量が 過ぎるから