狼は生きろ、豚は死ね、そして蘇れ

●ブログに閉じ込める光景

 ブログマダム、という存在の特集を昨日テレビでやっていたんだけど、要はブログにハマる主婦層、ということらしく、なるほどなんか、みんなハマっていて、インターネットアディクションに罹る、あるいはもう罹っている傾向の見えるような、ああハマってるなあ、という連中だった。彼女らが皆、写真つきでブログっていたようだから、ブログマダムもすなる写真付きブログというものを、私もしたいと思おう。たまには写真を載せよう。そう、写真さえ載せればコメントとかがっぽり来るっぽく、するってえと新しい繋がりとか出来ちゃったりするのかな、みんなが褒めてくれるのかな、それってなんとなく楽しいじゃん、っていうような、ですね(幻想)。

 上の写真は、渋谷に出来た「マミドバーガー」なる店で買ったハンバーガーセット……型の、菓子である。とりあえず買ってみるか、的なニュアンスで購入を果たした。ちなみにポテトは、カスタードを揚げたものだったが、「ケチャップをつけてくださーい」との店員の勧め。果たして味は、ホットケーキにケチャップを塗ったらこうなるかな、というか、普通に、カスタードにケチャップをつけた味だった。普通にカスタードにケチャップをつけた味、というのが普通かどうかはこの際置いておきたいけど、ハンバーガーの方は、チョコ味のムースっぽいやつを挟んでいて、こっちはまあまあ普通、それこそ普通に美味しい気もした。


 あと、以前撮って載せ忘れていた写真↓。

まあこれは、さすが農協、としかコメントのしようがないですけど…。


■こっから別エントリーみたいなもの(先週の金曜のはなし)■

●金曜日、明日は休み

 週に一度確実にある、かなりの長時間に及ぶ百鬼夜行の跳梁跋扈といった趣の会議を先週も経てダメージを受けた日記さん(神の子)は、やってやるぜ、とばかりに帰り道の途中でもある新宿の大地に立ち、デニム、ジーンの乗るザクをガンダムで撃破したのだった。というのは嘘で、やってられるか、といった風情でご飯を食べ、それから帰路に着いただけなのであるが、そういえば新宿西口の、ヨドバシカメラ周辺にある飲み屋から出てきた男女は、わたしに刻の涙を見せるに充分であった。


 男は40代くらい、恰幅のいい体躯、というか肥え気味の身体が暗い色のスーツで包まれていて、その下には青色のワイシャツがのぞき、ストライプ柄の黄色っぽいくすんだ色のネクタイを締め、頭髪は薄く、色欲に惚けた風な眼鏡顔をにまにまと歪ませながら、まあ、実際、性欲に囚われていることはそのすぐ後にわかったのだけど、それにしても他人の剥き出しな性欲ほど見てて気持ちが悪いものはないわね…。あ、でも自分のだけは別。ちょう別ね。


●他人の発情、自分の苛立ち

 で、男と一緒にいた女の方はというと、まあ、不美人とは言わないけれど、美人とは言い難く、ただ、でもなんでしょうね、女性として出っ張るといろいろいいことがあるとされている部位が出っ張ってる感じ? そう、宇能鴻一郎先生の文体でいうならば――あたし、生まれも育ちも東京なんです。色白の、よく目立つ、女なんです。お尻やお乳なんか、発達がよくて、会社に行く時なんか、恥ずかしい。だって、走るときなんか、お乳がユサユサ揺れちゃって。あたしブラジャーって嫌いだけど、しかたなくて、会社に行くときだけ、つけてるんです。でも、脚も太い、ウエストも、頬っペたにも、肉がついてる。見るからに、野暮ったい女だけど、でも、だからあたし、かえってお色気があるのかもしれない、と、思うんです。もちろん男性の心理って、まだよくわからないけど、あたしの少ない体験から考えただけでも。――といった様相の、ある種の男性にとっては色んな意味で具合というか都合の良さそうな雰囲気を醸し出している女で(偏見)、それで、その男ときたら、世界がもし100人の村だったら89人は生理的嫌悪感を催すであろう笑みを浮かべて、女のスリットの深めに入ったスカートをたくし上げるような勢いで尻を撫で。いや、あれは、掴み、といった方が正しい。まったく、どうかしてる。


 そして男は、尻を掴みこんなフィニッシュブローまで披露したのだから、やるせなさはマックスハートだ。

「んーーーー、ぼくはお泊りしたい気分なんだけどぉ〜〜」

 などと、ぐりぐり尻を触って女に懇願。はいはい。THE セックス様ですかマジご苦労様ですっていうか、女の方も悪い気分じゃなさそうな表情、ということで、これはもうほんと、はいはい、といった風情で、アホか、という按配の、早く死ね、といった趣なのだった。もうほんと、勝手にお泊まって精液でも撒き散らせ。そしてお前の人生もフィニッシュれ。と思った。でも、まあ、自分が同じようなことするなら、いやしないけど、もしするなら俺は俺を都合よく肯定する準備だけは出来ていることは言っておきたい。だって僕の中では僕が地球の一等賞なのであり、だって、僕が僕を肯定しなければ、一体誰が僕を認めてくれるというんだ?


●呪文、まじない、神秘、祈り、わたし

 なんて、いつの間にかネカマ文体や宇能鴻一郎先生の文章にインスパイアされた文章(学名:PAKURI)を載せたり、そもそも文章の行方がさっぱり定まらなかったりなんですが、マジでこの世はろくでもねー。というかあのおっさんがきもい。それに、あの女も気分がいいものじゃないな。ああはなりたくない……。「そうなる」という可能性はいつだってホラーとして存在するし、またそれは、自分の中に、ちょっと見つけちゃったりすると自己を嫌悪ったりできるデス要素でもあるが、あいつらはただの豚。豚。抗生物質漬けの豚だ。そんなわけで、狼は生きろ、豚は死ね!などとGIFUNに駆られたりしてた金曜日。


 ただ、問題があると言えば、あれです、そういえば、自分も豚でした!ごめんなさい!ということで、その、脂…肪……?とかいうのが夏くらいからついて離れない。身体についた肉とばかりは縁切りたい。もーほんと。脂…肪……?は、摂食と可視化された共犯関係にあり、脂…肪……?のよくついた、要するに脂の乗った人間は不可避的に発生するのだが、彼らは脂カテゴリとしてグループ化され、「気持ちの悪い」イメージ全般と古来から結び付けられている。その結果、事は「正しさ」の範囲にまで及ぶのだ。脂…肪……?がつくことは、表層的に間違ってはいない、にやにやと女の尻を揉むのも、女性が受け入れる限りにおいて、表層的には「正しい」。だが、例えば脂の乗った人間がにやにやと女の尻を揉むことには、いかに「正しくない」印象を与えることだろう!世の中には、同じような行為を許される人間もいるというのに……。さらに脂…肪……?とは、当世、自己管理が出来ていない象徴とされ、より「正しくなくなって」久しい。これは確かに抑圧的である。だが我々自身がそれを選択している。良しとしている。我々は、どうあれ、脂肪を削る必要があるのだ。最適な消費のために……。だから私は痩せることを目指さざるを得ない。様々な問題を孕んでいるとわかっていながら「しなければならない」労働のように。


 しかし、妻の敬愛する山咲千里先生が、聞いたところによると一度脂…肪……?をつけてからウエストを締める、痩身を果たすという方策を採っているらしいことは、何かそうした閉塞状況を突破するヒントになるのかもしれない。そう思っている。というか、今の自分の脂肪がついた状態は痩身の前段階である、と主張することによって、私が一息つける、蘇る。まるで、俺はやれば出来るタイプ、といって何もしない僕らのように。