優勝できなかったスポーツマンみたいに ちっちゃな根性身につけたい

 ちかごろはイヨイヨWeb2.0のおそろしさ、というのをヒシヒシと感じるのであって、まあ何かといえば2.0とか言うHey未来的光輝に満ち溢れた世界がくるヨ、と先だってより頭の良さそうな人たちが煩くシツコク喧伝しているのであるが、チョット考えてみればわれわれ人類は所詮人類なのであるから、地球の重力に魂を引かれる連中でしかありえない僕らのこと、オフコースあんなのはまやかしなのである。実質は、2.0の小数点にあたる「.」が、ただの労働者の血液の染みかなにかであることは明白で、リアルなWeb2.0はその先駆的な外見にも拘らず、やはりまずもってその他の歴史上繰り返されてきた「画期的概念」の登場時と変わらず早晩に民草圧殺装置として機能するであろう。だって、そうでなければ、現実的に言ってWeb2.0が云とかヌンとかお題目を唱えて金銭を掠めて獲っているような業界、つまり私が図らずも労働に従事しているWebセカイに属する人間は今頃真っ先にユートピアパークウェイで絶対幸福エイエイオー、といった趣のハッピーライフを送っているはずなのだけど、しかし今、ジャストでナウな7月の現状を吐露すれば今日もまた渋谷駅発AM1:10発の満員深夜バスにほぼ一日まるごと労働といったロングシーズンの末どうにか乗り込んだわけなのだから、要するにWeb2.0は結局Web20時間労働とかそういう妖邪のたぐいであると思う。


 とはいえ僕も、いやぁ2.0ッスよねマジでソリューション満載っすよ最高っすよ的なことを言いながら金銭の類を懐に納めてゆくのもやぶさかではないよなあ、と考えもするコモンピープルの端くれ子でこそあれ、聖人ではないので、まあWebの2.0ちゃんには色目を使ってゆきたいよねー、ということでいろいろテキトウなことを言ったりもするワーキングナイト&デイズを送っていたりもするのであって、つまりこんな卑屈な日記を書いている場合でもないのである。あと、あんまり2.0さんのわるくちを言っていると、オマエに2.0ちゃんの何がわかるんだ!的にプンスカされそうなので、殴られなきゃいけないのは僕だ、僕は卑怯で…臆病で…ずるくて…弱虫で…何もわかっていない僕は2.0に乗る資格がない、というわけで沈黙せねばなるまい。そもそも、だって、こんな日記を書く前にどうやらファックめんどいワークフロー資料を作成せねばならないし、構成資料、企画書、指示書、見積書、メール、電話、電話、メール、などを次々と繰り出してゆく必要があるついでに、販売管理資料、外注費資料、チーム各人の休暇予定まとめ、工数表、プロジェクト報告などのコマゴマとしたモノがあってあーーーーーーーーーーーーーーーーーーやだーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー超めんどいスーパーめんどい超級武神覇斬的メンドオブハート。だいたい、こういう光子爆弾級に面倒なことをしなくてもいいのが2.0世界なんじゃないの?って思わなくも無いんですけど、違うんですか?違いますか?そうですか。いや、わかっているんですよ、これがごく普通のサラリーマンのやることだ、ってことはわかっていて、こんな序の口でウダグチ言っていてはもうどうしようもないっていうか、あああーー、なんだ、あれだ、がんばろう。がんばります。としか言いようが無いよね。よのなかこわい!


 というわけで、この間、はてなの面接に落ちる、って夢を見た。なんか6人くらいが相手の面談で、このくらいのWebトレンドは押さえておかないとネー、なんてニヤニヤされながら落とされたので、たいそう腹が立ち目が覚めた。という、真夏の夜の夢。なんか、フロイト先生などに出張ってもらう必要もないくらい、ものすごくわかりやすいコンプレックスとかが反映されてそうでこわいですね。というか、そんな夢を見た自分が気持ち悪いです。