ラボラトリーから うまれたPlastic Girl

 ファイル納品待ちという類の聞くからにすてきな待ち業務に従事している最中なので、ひとつ日記でも書きます…。
 もう先週以前の話になってしまうのですが、ハロモニ(「ハロー!モーニング」という、モーニング娘。好きのひとたちが好んで観る番組のことを略称でこう呼びます)で、“ハロプロ獏羅天の風神雷神”ことダブルユーさんの神曲ロボキッス」が放映されたのを見ました。ところ、これがまあなんとも良いじゃあないですか!ってことで、こいつはスキッドロウ以来の衝撃だろうといった趣でこうしてだいぶ遅れはしましたがキーボードを叩いている次第でして、それではこれから、宗教あるいはマルチな勧誘、もしくはコンビニに売られているニューエイジ本、あるいはロッキンオンだかなんだかの手法をミックスして「ロボキッス」について書いてゆきます!っていうかつまり適当です! でも「ロボキッス」がいい、と思ってるのはほんとうです。

 まずイントロ。トイポップな感じのピコリンとした音のさなかに絡んでくる音響処理済のギター、というか、機械仕掛け風のディストーションギター音が鳴らすのは明らかに高らかなダブルユーの勝利宣言であり、まさにそのようなイントロとして機能するでしょう。「ロボ」というコンセプトに忠実な、一種わかりやすい音ではありますが、しかしそこで鳴るのはこの音以外ないのでは?と思わせる確信的な響きであり、さらにまた、二対の女性が織り成す神話作用がすぐ後に展開されるであろう楽曲への期待を高めてくれるのです。あと、僕自身のことを言えば、今のっけからかなり適当なことをこの日記に書いている自信だけはあります。

 そして、曲はメロディに、歌に突入してゆきます。

●Aメロ歌詞

すごいあのこはGO GIRL
やばいあいつはYES MAN
だれもかれもが平凡?
ダメダメ!

何処に投げてんのノーコン
デートの誘いアイコン
穴が開いてるレンコン などなど

「すごいあの子はGO GIRL」は、言わずもがな、恋する女の子のビクトリーをその手中にできる存在、GO GIRLという存在に関する言及でしょう。そして「だれもかれもが平凡 ダメダメ」に至って“GO GIRLに対するロボからの返答”とも言える歌詞世界に突入していることから、過去の楽曲で歌われた「女の子」を超えてゆこうとする気合の高さがうかがえます。曲の体感速度は早めで、「彼女達自体がとてもアートなので、そこをさらに強調するためにも、スピード感溢れる曲にしました。テンポ自体が高速というわけではないのですが、そう感じる仕組みになっているのです。」とはつんく♂(ジ・アーティスト・フォーマリー・ノーン・アズ・つんく)のコメントにもありましたが、前へ前へと進んでゆくような心地よさがこの曲の全体を貫いていて、その仕組みが「ロボキッス」の魅力を際立たせているように思います。ノーコン、アイコン、レンコンの三連コンボもまあさることながら、あと、この部分の最後の「などなど」が秀逸ですね!
 ああ、それと、「ヤバいアイツはYES MAN」というのは、まあ、多分、ナチュラル・ボーン・イエスマンであるところの元シャ乱Qまことさんあたりのことだと思います。これは、♂さんからまことさんへ向けたHINIKUなのではないでしょうか…?

●Bメロ〜サビ

恋ぐらい 知ってて当然

好き好きっす キスをください
好き好きっす キスは無限大
好き好きっす キスはわかるわ
好き好きっす ロボットだっても

好き好きっす キスをください
好き好きっす キスはコーションね
好き好きっす キスはひとりじゃ
好き好きっす 誰も出来ません

☆シャバラ ラン ラン ラン ラン ラーラ
シャバラ ラン ラン ラン ラン ラーラ
シャバラ ラン ラン ラン ラン ラーラ
ロボロボ

 このBメロ〜サビ部分では、「恋くらい 知ってて当然」なんだし、だから「ロボットだって」その幸福の、瞬間の無限大性、危険性がわかる「キス」を、せがむ2人の女の子、わたしはあなたとキスがしたい、キスがしたいが人間の本能、という、言いたいことはただひとつだけといった趣の言葉が、曲調とあいまって楽曲の強度を増している様が見て取れます。“キスは1人じゃ誰もできない”という至極当たり前のこと、その不可能性をまさに「恋愛感情の伴う2人でするキス」はあっさりと超えてゆくことでしょう。そんなキスに対する欲望と意志を、ロボットの眼を通じさせる仕掛けを取りながら描く「ロボキッス」はメロディやアレンジ、言葉が一体化する一体性を高度に伴った良曲だと思いました! というか、ダブルユーの構成メンバーには魅力があるし、曲調も気持ちいいし、歌詞も良くない?ってことで、要するにいい曲だよね、って僕の言いたいのはそれだけなんですけど。

 ところで最後に「シャバラ ランランランランラーラ」という部分の歌詞「シャバラ」に関して考えてみます。これは一見、よくわからないですね。ただ、つんく♂(ジ・アーティスト・フォーマリー・ノーン・アズ・つんく)は「シャララ」というフレーズを好む傾向にあり、それは例えばカントリー娘。の「北海道シャララ」、モーニング娘。「ふるさと」における「流れ星を見たら 何を祈ろうかな シャララ」という歌詞、またひいては―――断言すると、これが一番重要な「シャララ」ですが―――石川梨華「人間ってシャララ」などの例を挙げるとわかりやすいでしょう。となれば、この部分の歌詞は「シャララ ランランランランラーラ」であってもおかしくはなかったのでは……。しかし、つんく♂(ジ・アーティスト・フォーマリー・ノーン・アズ・つんく)は「シャララ」ではなく「シャバラ」という言葉を選んでいます。これは、何故でしょうか? そういう疑問がみなさんには沸いてくるかもしれませんね。

 実は、私の独自の調査、若干スピリチュアル的な調査(別名:思いつき)によれば、「シャバラ」とは「シャンバラ」のことです。桃源郷、理想郷として知られるシャンバラですが、チベット語で“幸せの源に守られた”という意味があるそうで、つまり♂の送る、「ダブルユーが幸せの源泉である」あるいは「ダブルユーは幸せの源に守られている」もしくは「ダブルユーという幸せの源に守られているあなた方は幸福である。ロボロボ」というメッセージの存在を強く感じます。きっと彼♂は福音の伝道者であるのでしょう…エイメン…。ええと、あと最後の「ロボロボ」はきっと「オン シュラ ソワカ」みたいなものでまあご愛嬌みたいなもんだと思うロボよ(ロボ語)。
 ってなわけでさようなら!ダブルユーの曲でこの曲がはじめて、僕を「これ相当欲しい」という状態にした曲です。