たまにはこういう話も書こう

 先週の金曜日、料理をしようと思って何やら調理をしていたら、ゴム製の調理器具を焦がしてしまい、部屋にどうしようもない臭いが満ちてしまって、しょんぼりした。そもそも、料理をしようと思ったのは、それが、よく肉体的にも精神的にも疲れて帰ってくる同居人の一助となろうかと思ったからで、同居人は土曜なのに仕事だ、というから、それじゃあってんでここで僕が土曜の朝食を作れば、少しでも喜んでくれたり、楽になってくれるかもしれないというもうなんというか期待の下の行動だった。しかし結果は…といえば、そのひどく我慢しがたい臭いを発しただけだったのであり、そのせいで寝ている同居人すら起こしてしまう始末…。なんだかもう全然笑えないし、しょんぼりだし、申し訳ない気持ちでいっぱいになり、夜遅くまで窓を開けたり除臭剤を使ってみたりと考えうる限りの対処を施してみたのだけれど、そんなに臭いは消えなかった。僕はたまに、こういう、間が悪い事をしでかす。確かに僕が悪い「わけでもない」のだろうが、そんな時は、それがわかっていても自分や周りにいる人はしょんぼりするものだし、そのしょんぼりは意外と、まあこれは一般論でもあるけど、まずい方向に人の機嫌や物事を転回させたりもする。僕はいつもそれが哀しい。


 次の日、同居人は仕事に出かけたので、これは汚名返上のチャンスとばかりに、家事を完璧にこなそう、と、洗濯、買い物、料理と除臭のための掃除をした。念入りに掃除をしたためか、だいぶ臭いは取れ、そして、料理は失敗がないように、まず大きな失敗はない鍋物にしてみた。本当に鍋は偉大だと思う。この一連の行動はなんというか良かったようだ。結果なんとなく事態は好転したのだった。よかった。僕が取ったのは、人の気を引くための行動、良く思われたいがための行動だったのだろうが、というかまあそういう指摘がもしあったならもう甘んじて受け入れる他はないのだけど、僕はもちろん完璧な意味で「無私」の行動ができるほど人間ができていないのでこの辺りが割と限界だと思うし、それすらしないよりかはまだましか?なんて事もうっかり思ってしまうわけだし、そもそもそこまで自分は我利我利でもないだろうと期待もしている。って、エクスキューズと自己肯定はこの辺にしておこうかなあ。要するに、うれしかったんです。


 時々、僕が到らないためだと思う、しょんぼりさせてしまって悪いなあと思うけれど、僕は今の生活がおくれている事に感謝している。なんて、直接顔見て、言えない、わけじゃなくて言えるけど、たまには文字に残しておこう。と思った。たまには。