レジ打ちのその後

 以前のこの日記で、近所のスーパーでかかっているBGMの不可思議さ(闘争を想起させるようなロックばかり流れている)、レジ打ちおばさんたちにおける労働者間ヒエラルキーが人間関係などの諸関係に影響を及ぼしている様子(班長的な役割の上位レジ打ちが下位レジ打ちに対して罵声やらなにやらを浴びせている)などから、「このスーパーにおいてBGMが闘争的なのは、資本あるいは権力に対する抵抗の萌芽」などと寝ぼけた事を書いたのですが*1、本日買い物をしたところ、当該スーパーで新たに動きがあったようなのでここに報告いたします。

 まず本日のBGMですが、一風変わって中島みゆき沢田知可子などといった何がしかの情念を感じさせるラインナップで、おや、という感じでした。あなた夢のように死んでしまったの、今年も海へ行くって、いっぱい映画をみるって約束したじゃない、あなた…約束したじゃない…なんて昼間っから闇夜に引き込まれそうな歌を聞きながら1パック158円のまいたけを買い物かごに入れる自分は何をやっているのだろう、と思わないでもなかったのですが、その違和感も些細なものでしかなかったことをこの後僕は知るのでした。店内には、販促のためのポップがそこかしこに飾ってあるのですが、そのポップの内容が異界化していることに気付いたのです。

 というのも、牛肉のコーナーでは肉との関係性がほとんどないと思われるフランスの小咄が紹介されており、まずもって首をかしげたのですが…それも束の間、100グラム88円の豚肉コーナーに目を移せば、そこに飾ってあるポップに至っては「金色の光と声が私を包む…」といった感じのポエムだったという暴虐さ。100グラム88円の豚肉との関係性はニアリーイコールでゼロとしか思えない見事なポエムっぷりにおよそ1分ほどその場に立ち尽くさざるを得ませんでした…。一体これは?と訝った僕は考察を開始し、どうにかココロの平穏を保とうとしたのですが、保てたかどうかは杳として知れず…以下に「おれがんばった」の記録として、僕の考察結果、平穏への戦闘記録を載せておきます。

■近所のスーパー異界化現象報告書■
1:本日かかっていた情念系のBGMは班長レジ打ちおばさんの趣味ではないか。しかし、以下の考察によってその可能性は覆される運命である。

2:班長おばさんは私がいままで考察したところスーパー運営上層部と繋がっている。店長…いや、もっと上の地区担当SV(スーパーバイザー)、あるいはさらに上層…地区統括マネージャーといった体制側にいる役職の人間との恋愛…いや、不倫関係にあるのではないか。というより、間違いない。

3:となると、本日のBGMは班長おばさんの「趣味」ではなく、情念の発露と見るのが妥当である。運営側の社員と班長おばさんの蜜月関係に終止符が打たれたために発生した現象と見るのが自然。

4:なお、ポップ広告内容のポエム異界化に関しては、これも班長おばさんの情念発露と考えうるが、安易にそれを受け入れる事は危険である。すなわち、下位レジ打ちに若い女性が1名属しているが、彼女が労使間闘争の激化、人間関係のさらなる悪化から生じる心的影響によってポエムを書くに至ったのではないか、という可能性も考慮に入れるべきである。この件に関してはさらなる調査を要する。

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 とまあ、ざっとこんな感じなのですが…ここまで、決め付けや偏見、妄想や論理の飛躍といった疑う余地のないほど正確性を重視した手段を用いて考察を加えてきたので、上記報告書の信頼性は堅固なものと思われます。なお、下位レジ打ちの若い女性など気がかりな諸要素はまだまだあるので、今後ともこのスーパーに関する調査は続けてゆく必要があります。危険な任務ですが…。ただまあ、あのキャシャーンさんもここまでは手がまわらなさそうなので、俺がやらねば誰がやる、の心意気でもって僕は頑張りますよ! (ここから日記)ということを考えながら買い物をしているとなかなか楽しいのですが、今日のハロモニハロプロアワーのコーナーで石川さんが出てましたね!やった!それがまたキャメイさんと並んでたので相乗効果で実に素晴らしいというか!……って、うーん、でも、「あややム with エコハムず」なんてな名前の、残酷な天使のテーゼを感じてしまうような立ち位置の微妙なユニットの宣伝だったので、僕の胸中にも微妙な風が吹きましたけどね…。まあ近所のスーパーの話もいいんですが、ハロプロの今後とかってやっぱりちょう気になるよね!