日記セラピーふたたび

 このところの自分の低調ぶり、一種の自信喪失具合、おもしろ無力感の抱えぶり、などなどには目を見張るものがあり、これはちょっとやばいんでないの、とうっすら思っていたのだけれど、しかしそういうことを日記に書き出したり唇から散弾銃を撃ち放つようにわあわあ言い出したりすると明らかに暴発、ダウンワード・スパイラルを誘発し、間違ったナイン・インチ・ネイルズ気取ってみたような、ココロがインダストリアルノイズを奏でているぜ風日記を書きかねなかったり、その他実生活的にもろくなことにならないなあと思うので控えていた。だいたい、ココロ風邪の原因と思われる要素を仮に羅列してみたなら、実に単純な、それこそ「仕事」とか「え?そんだけ?」みたいな単純なものものが並べられることになるので、我ながらいささか呆れもすることだし。


 ということだったのだが、実は今日など、こりゃあ限界だー、とばかりに、自己否定、自己憐憫、自己肯定、自己確認という自己自己まみれのなかなかな香ばしさに満ち満ちた対症療法的文章を一気呵成に記してしまった。やっちった。ウップス アイ ディド イット アゲイン。確かにブリトニー・スピアーズならばそんな「Oops!」なことを書いたとしてもまた可愛く、かつセレブでエンターテイナーの薫りも漂おうというものだが、書いたのがいかんせん自分だったのでまあその文章はゴミ箱直行だったのだけど(それを公表しない程度には僕は年を取ったのかもしれない)、そんな自分見つめ直しタイムが功を奏したせいか、今はちょっとやる気が出てきているので良しとしたいところではある。そう、それこそは日記セラピーだったのだ。いや、まあ、日記セラピーなんてものはほんと対症療法にしか過ぎないもので、せいぜいちょっとしたキックスタートマイハートな起爆剤として機能するものなのだけど。まあ、それを書かざるを得ない自分って、まだまだっすね!がんばるっす!ポジティブっす!


 と、このように、日記セラピーのその後はというと、たいてい一寸気持ち悪いくらいのポジティブ変換がおこり、洗脳後、ないしは脱洗脳後のような文章、つまりはちょっぴりグレーな商売をやってそうな会社に入社した後の研修において軽装で山々を放浪させられたり池に向かって「今までの自分さようならあ!」なんて叫んだ結果に素敵なサムシングが啓発されてしまったような、シャカリキ系の新人営業マンといった趣の憑きモノが落ちたような感じの文章になってしまうんだけれど、それもまあ良しとしよう。だって事実憑き物が落ちたみたいな気分なのだから。そんなわけでとりあえず、まずは家と会社の往復生活をなんとかしたいなあ、と思います。あとな、もっとやり方考えていろいろ実践せなあかんねんな俺。やったるでー! ところでそういえば最近、僕の勤める会社に前田有紀さんという方が入ってきたみたいなのだけど(顔は未確認)、それって、もしかしてあのゆきどんだったりしたら、なんて思うとちょっとスリリングです。ゆきどんさんはアップフロントでも電話番をしてたのではないかと思われるのに、東京の片隅にあるこの会社でも再び電話番、とかそういうことになってたらどうしましょう。だってそれじゃあまるでくやし涙の東京キリギリスじゃないですか!アップフロント、お前は償うものが多すぎる!