アンチオイディプス

 新婚旅行日記の途中ですがここで臨時日記を書いてしまうのでして、このように得てして日記というのは予定通りには進まないものなのでたいへんですね、というか、もちろんこのサイトを好んで読んでいるような方はなかなかに酔狂としか言いようがない嗜好を持っているのではないかと類推されるわけですが――でもまあだからってそんな「特殊」とかではないと思いますけど――だって僕の文章を好んで読む率というのは例えば東スポのエロ記事をおとうさんたちが好んで読む率よりはもう圧倒的に物珍しいことでしょう、と、そうした方々の中には、その昔に市井(紗耶香)さんが「人生がもう始まっている」なんて歌うのを聴いた時には「まじで?まだ始まってないのと違うの?つうか始まってると困るんだけど」なんて感じの、死の宣告を受けてあと数ターンで死にますよ、あるいは、あと数ターンでトンベリさんにみんなのうらみ攻撃を喰らって死ぬことがわかってますよ、的な恐れを感じ戦いたに違いない、人生の羊水状態またの名をモラトリアムがだいすきっ子もいくらかおられることと思います。

 というような迂回、迂遠な言い回しで何が言いたいのかというと、ぼくも要するにそうだというか、ほら、ぼくって、まだまだモラトリアムのモラ子ちゃんなところがあるじゃないですか?(語尾上げ)(上目遣い)ですので、いい年してちょっとどうなの?と疑問に思う部分も自分で大いにあるわけです。先日も、シャナイゼンタイカイギなんて名前の公開処刑場みたいな場所で、結婚報告および今後の意気込みについて喋らんかいワレ、というわけで、シャチョウサンという名の、分類上は僕が逆らえない存在であると定義される波動存在さんから、注目っ……!綾川君は先日結婚しました、苦しい生活の末の結婚……ワシも覚えがある通りこれは大変嬉しいことです……!拍手っ……!パチパチパチパチ…!さあ一言…!という勢いで見事に恫喝されたので、ヤメロヨッ!ヨケイナコトスンナヨ……!ナニ考エテンダッ……!とばかりにあわあわとなり、それでも何事かを喋ったのですが、その際もやらかしてしまった感が否めません。

 いや、いろいろと責任重大なのでこれからがんばります、ということを言いたかったものの、口をついて出た言葉は「いろいろ責任が降りかかってくるみたいなのでこれからがんばります」みたいな言葉…。わあ他人事!びっくりです!って、いや降りかかるとかじゃないっすよね、ははは、とフォローを入れたものの、フロイトが泣いて喜ぶようなこの見事な言い間違いはまさしく、僕の中で惰眠を貪る責任回避型の性格を持つモラ子5号の仕業であると言えるでしょう。いやほんと、違うくて、心の底からそんなことを思っているわけがなくて、むしろがんばるんですよ?がんばるんですけど…いやほんとに、ほんとだってば。ね。

 まあそれはともかく、その時お祝い金とかいう名目でお金をもらったのでそれはというかそれが非常に喜ばしかったです。福沢諭吉肖像画を幾らか貰ったと言って差し支えないのですけれど、それは早速CDという、なんか素敵な音が聴こえてくると噂のふしぎな円盤に化けたりしているのが不穏なところといえば不穏なところだと思います自分で。

■そんなわけでさいきん買ったCD
●DISAPPEAR HERE / SILVER SUN
Disappear Here
※ようやく出た、SILVER SUNのアルバム(!) このバンドかなり好きだったので嬉しい。1曲目からして自らのポップさを示唆するような単語である、「Bubblegum」なんて名前だし、もちろん曲もポップ。典型的なSILVER SUN的展開は詰まりつつ、微妙にアレンジとかで遊んでいる気がします。30分ちょいというCDの尺の短さも、なんかもう不満というよりは、ようやく聴けた!という方が強くて気にならない感じ。

●Man-Made / Teenage Fanclub
Man Made
※こちらはティーンエイジファンクラブの新譜。ジョン・マッケンタイアがプロデュース、ってことで、そこはかとなく音響感というかシーアンドケーク感も漂い、ちょっと、これはかなり傑作なのではないでしょうか!

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 あとオアシスのアルバム出てたけど試聴してスルー。少なくとも、オアシスにまつわる僕の青春は終わったのかもしれない、と感じてしまいました…。